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コンクリートは大丈夫?
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コンクリート、モルタル硬化の過程で
内部に毛細管が生じるセメントと水が反応してセメント硬化体(結晶体)になるのに必要な水の量は、一般にセメント重量の25%と言われます。その他におよそ15%の水がセメントとゲル化して、セメント粒子/結晶体粒子/骨材粒子相互の結合に役立ちます。実際には、それでは練ったものが硬すぎて作業性が悪過ぎるので、もう少し水を多目にします。
水と接したセメントには水和反応が起こり、セメントの粒子は結晶体に変化します。同時にゲル化現象が起こり、結合が始まります。これらの反応は発熱を伴います。
ところがセメント粒子の中には反応せずにそのまま残留するものもあります。もともと全てのセメントと反応しても多過ぎた水分(余剰水)が徐々に蒸発しながらモルタルは硬化していくのです(余剰水はモルタル中にも多少残留)。従って、全く隙間がないように見えるモルタルでも、実際には余剰水が蒸発した後に残る空隙(毛細管)も多いのです。毛細管は地上であれば、気体は透過できても容易に水を通すほどのものではありません。しかし、地下では土圧、水圧がかかります。 |
モルタルの拡大図(イメージ)
◎コンクリートとは
セメント+砂利+砂+水を混練したもの。
◎モルタルとは
セメント+砂+水を混練したもの。
基本的に両者の違いは骨材(砂利や砂)の大きさの違いで、水に対する性質は大差ありません。
浸水により錆びた鉄筋は膨張、やがてコンクリートを破壊
コンクリートは、セメント結晶体・砂・砂利・未水和セメントなどが直接接触していて、その隙間をセメントゲルが充填する形で硬化しています。硬い粒子同士がくっついているのですから、圧縮力には非常に強い、という事は理解できます。
しかし、コンクリートは粒子同士が融合している訳ではなく、あくまでも何らかの力で粒子同士を接着しているだけのものなので、引張力に対しては、必ずしも強いとは言えません。そこで、その弱点を補うべく、コンクリートの中に引張りに強い鉄筋を埋め込む、ということで鉄筋コンクリートが生まれ、様々な建築物に用いられるようになりました。
しかし、この弱点を補うべき鉄筋は水によって錆びが生じると膨張し、一転してコンクリートを破壊する元凶となってしまうのです。
浸水実験
モルタルを72時間浸水後、水から引き上げて、割った断面をみると
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